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freee Advisory Dayで登壇しました

Jul 11,2023 | お知らせ

freee会計導入のねらい というお題で対談しました

7月4日(火)、クールジャパンパーク大阪で行われたfreee Advisory Day というイベントで、壇上に上がりお話しをさせてもらいました。振り返ると2015年からfreee会計を使い始めた当事務所。freee会計のリリースは2013年だったので、早々からサービスの利用を開始していることになります。使用を開始した当初から、同業者などからよく聞かれることはあったのですが、今回機会を与えていただいたので、改めて当事務所にとってfreeeの価値とは何かを考えてみることにしました。

導入のねらい①ERPとしてのソフト設計

ERPというシステムをご存じでしょうか?ERP:Enterprise Resource Planningとは、企業の持つ資源=「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を一か所に集めて管理し、有効活用するという考え方、またはそれを実現するためのシステムを指します。つまり企業経営に必要なデータ管理(在庫管理や給料計算、財務諸表の作成など)をバラバラに行うのではなく、同じシステム上で行うことによって作業の効率化や数値の透明性・即時性を可能にするシステムです。

通常の会計ソフトは原始証票やエクセルなどで取りまとめた仕入や売上の台帳から振替伝票を起こして記帳しますが、ERPだと基本的にすべての数値が起票のもととなるシステムに繋がるので間違いが起こりにくい。また、特定の取引について分析が必要となった場合も、会計データとして流れてきたデータの出所が分かるため整理が行いやすいという利点があります。

私は独立後間もないころに、ERPシステムを導入している企業で経理代行のお仕事を請け負っていた経験があり、このシステムの良さは肌で感じて理解していました。

freeeが世に出回って間もないころ、ERPに触れたことがない(ほとんどそう)税理士からは、通常の会計ソフトとあまりにも異なるソフトの設計に「使いづらい」と大ヒンシュクでしたが、用途別にシステムを動かすことで結果的に会計データができあがるというシステム構造は、お客様との作業の連携を簡単に実現し、当時データの入力作業や照合をほぼひとりで行っていた当事務所とっては大助かりでした。

具体的にはシステムの中の販売管理部分(請求書の作成および入金確認)をお客様にfreeeで行っていただいたり、freee人事労務を導入して従業員の管理ツールとして使ってもらうことにしたところ改めて会計データを入力する必要がなく、また修正が入ってもタイムリーに会計データも上書きされ、全てのデータが最新となり取引が透明化し、ブラックボックス化しない。

freeeの製品は総じて素人でも操作しやすい作りになっているため、経理の作業効率があがったばかりでなく、端末を動かすお客様の評判も上々です。初期の頃はそのERPとしての特性からか、最初の段階で登録を誤ってしまうと修正するのが困難だとか別の煩わしさがあったのですが、システムの改良のスピードがとても速く、今はそこまでの不便は感じなくなりました。

導入のねらい②クラウドコミュニケーションツールとしての使い方

当事務所の中で記帳代行業務を受注している割合は全体の5%程度ですが、それでもお客様が増えるに従い事務作業はどんどん増えます。ミスをなくし、できるだけ迅速にに業務を行うには、所内やお客様との明快で効率的なコミュニケーションは必須です。

freee会計には取引にメッセージをつける機能があり、また取引に領収書・請求書を添付することができますのでお客様の作業のレビューや疑問点がある取引についてのやり取りをスムーズに行うことができます。

他の会計ソフトにもメモ機能や付箋機能などソフトウェア上でのコミュニケーションを可能にするツールはあるのですが、freeeはシステムを動かすメンバーのemail アドレス宛てにメッセージを送りますので、即時にメッセージを受けとり、画面で一緒に確認しながら疑問点やレビューの内容を簡単に共有することができます。こういったことに時間をかけずに済むのは非常にありがたい。

また、すべての取引や帳票画面はリンクを介して共有することができますので、質問をスプレッドシートなどにまとめてお客様へ連絡する際も、内容の伝達が行いやすいという利点があります。

お客様や事務所スタッフからの評判

改めてお客様や当事務所のスタッフにfreeeの感想を聞いてみたところ、概ね「満足」という結果が得られました。満足な点としては、クラウド会計事務所の利点であるインターネットバンキングやレジアプリなどとの連携による経理の自動化や、データを同時に複数人で共有できる点が多く聞かれました。一方で少し不満な点としては、こちらもクラウドツールならではですが、料金が徐々に引き上げとなっているところや、それまで使えていたサービスが急に使えなくなる場合があること(ex 楽天銀行とのAPI連携、freeeからPayPay銀行経由の総合振込機能など)等、なかなか対応が難しい点はあるかとは思いますがfreeeさんにも頑張っていただきたいところです。

簿記の知識がないユーザーに、複式簿記へのハードルを一気に下げたfreee。他ソフトからfreeeヘ変更してリアルタイムにデータへアクセスすることにより、数字への興味が深まったとおしゃる社長様もおられました。freeeの操作を行うこと、またリアルタイムに数字を把握することにより会計を身近に感じ、経営を安定させるためのお金の作り方を学んでいただけたらと思います。